頭が痛く朝起きられない。めまいがして立っていられない。起立性調節障害(OD)の子どもが、小中学生に数%いるとみられています。春から初夏にかけて症状が現れやすく、遅刻や不登校の原因になります。「寝不足」「怠け者」などと誤解されがちで、周囲の理解が必要です。

 ODには、以下の少なくとも4タイプあることがわかってきました。

  1)起立直後に血圧が大きく下がり、重症だと脳貧血を度々起こす。
  2)極端な血圧低下はないのに心拍が増す。
  3)立っているとき、ひどい人は毎日のように失神する。
  4)起立して数分後から血圧が下がる。


 なぜ、この時期に多いのか。暖かいと血管が緩み、交感神経の活動が低下します。進学や進級に伴うストレスも影響すると考えられています。ODは午前中に症状がひどく、午後は軽くなります。遅刻や欠席は「怠け者」とみられがちです。寝不足と違って睡眠を十分とっても症状は消えません。ODは病気です。子どもの訴えをきちんと聞いてあげてください。日常生活では、ゆっくりと立つ、だるくても散歩程度の運動を毎日する、塩分を多く取り、暑い場所は避けるなどを心がけるべきです。
 ODのように、ストレスによって起きたり悪化したりする子どもの心身の症状は、小児心身症と呼ばれています。気管支喘息の一部や過敏性腸症候群なども小児心身症とされています。春か初夏にかけてはODだけでなく、多くの心身症が出たり悪化したりしやすい季節です。小児心身症では生活全般に変化が現れます。早期発見には子どもをよく見ることが大切です。


◆金沢市医師会より

 起立性調節障害(OD)は立ち上がると、血液は下半身に下がります。健康なら、下がった血圧は交感神経の働きですぐに戻りますが、その働きが弱いと血圧が戻らず、上半身の血流も悪くなるため、頭痛や立ちくらみなどの症状が現れます。小4ごろから発症し、小中学生には5〜10%いるとされています。怠け者といわないで、一度、かかりつけ医で血圧測定や起立試験を受けてみてはいかがでしょうか。

<参考ホームページ>
不登校の陰に「起立性調節障害」
http://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/lb2_od.htm

低血圧サポートグループ
http://www.inphs.gr.jp/05child/index.shtml



[大症状]
A.立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい。
B.立っていると気持ち悪くなる、ひどいと倒れる。
C.入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる。
D.少し動くと動悸、あるいは息切れがする。
E.朝起きが悪く、午前中調子が悪い。

[小症状]
a.顔色が青白い。
b.食欲不振
c.臍疝痛(強い腹痛)
d.倦怠あるいは疲れやすい。
e.頭痛。
f.乗り物酔い。
g.起立試験による脈圧の狭小化(16mmHg以上)。
h.起立試験で、収縮時血圧が安静時より21mmHg以上低下する。
i.起立試験で脈拍数が1分間あたり21以上増える。
j.起立試験で典型的な心電図がみられる。

大症状が3つか大症状2+小症状1、または大症状1+小症状3以上で、器質性の心臓病や貧血などがなければ、ODと診断する。
A〜E、a〜fには、「しばしば」「時々」「たまに」の指標がそれぞれ規定されており、それに従って陽性かどうかを判定する。