人の骨格筋はT型筋繊維(赤筋繊維、遅筋ST)と U型筋繊維(白筋繊維、速筋FT)に分類されます。赤筋繊維と白筋繊維は筋細胞中に含まれる血色素で赤血球のヘモグロビンが運んできた酸素を筋肉に貯蔵するミオグロビンの量による色調で判別できます。U型筋繊維はさらにUaとUbに分類されますがUa型筋繊維はT型とUb型の中間的な性質を持っています。

 T型筋繊維の割合の高い人は基礎代謝が高く肥満しにくく、食後の熱産生が高く、細胞内のミトコンドリアが多く毛細血管も発達していて酸素を取り込む機能に優れています。長距離走等有酸素運動、持久型運動に適しています。 収縮速度は遅く、酸化酵素活性が高く、筋に含まれるエネルギー源の内で中性脂肪を多く含んでいます。

 U型筋繊維の割合の高い人はこれと全く逆で基礎代謝が低く肥満し易い、 熱産生が低く、ミトコンドリアが少なく毛細血管密度が小さい。 無酸素状態での筋収縮能が高く、短距離走、相撲、柔道等無酸素運動、 瞬発型運動に適しています。収縮速度が速く、解糖系活性が高く、グリコ−ゲン含量に差はありません。

 これらの体質の差は遺伝子の違いであり、トレ−ニングや栄養等の努力で割合が変わりません。その特性を考えて自分に合ったスポ−ツを選び楽しむべきです。 持久系のトレ−ニングによりT型筋繊維の割合は変化しませんが、U型筋繊維内での割合変化を起こしUb型繊維からUa型繊維への変化を起こします。 Ua型筋繊維でもトレ−ニングによりT型筋繊維以上に毛細血管密度と酸化能力は向上します。 すなわち末梢筋肉内のミトコンドリア数や容量の増加、酸化酵素活性の上昇、 筋線維1本当たりの毛細血管数も増加します。しかし、スプリントトレ−ニングでは解糖系酵素活性の上昇や 筋線維の肥大によりスプリント能力も少しは高まりますが、遺伝的な要素が大きく持久力能力の向上に比べるとごく僅かです。

◆金沢市医師会より

 加齢による筋力の低下は避けられませんが、遅筋線維の加齢による萎縮は速筋線維に比べ緩やかです。筋の使用頻度が低下すると遅筋より速筋のほうが不要になるからです。立位姿勢を支える下腿のヒラメ筋は遅筋線維の割合が高いので加齢の影響が少なく持久能力は保たれます。
 U型筋繊維の割合の多い場合は高血圧、体脂肪率、肥満やインスリン抵抗性と相関関係が高く 、心血管系の主要なリスクファクタ−になります。中高年以降の運動としてはT型、Ua筋を使う有酸素運動の方が適応しています。

<参考ホームページ>
・ダイエットと筋肉(1)
http://homepage2.nifty.com/luke_apostle/vol.87.html

・カラダ・デザイン用語辞典「遅筋繊維」
http://karada-design.seesaa.net/article/54488994.html

・高校生物:筋肉と筋収縮
http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/biology/muscle2.htm