肝炎ウイルス検査の受診機関リスト

1.肝炎ウイルス検査の目的
ウイルス性肝炎とは、肝炎ウイルスに感染して肝臓の細胞が壊れていく病気です。この病気になると、徐々に肝臓の機能が失われていき、ついには肝硬変や肝がんに至ることがあります。わが国でのB型あるいはC型ウイルス肝炎にかかっている患者さんは肝炎症状のない持続感染状態にある人も含めるとC型肝炎ウィルス持続感染者(HCVキャリア)は150万人,B型肝炎ウィルス持続感染者(HBVキャリア)は100万人以上いるといわれています.これらの肝炎ウイルスが肝臓がんの原因となることもわかっています。肝臓がんによる死亡数は1975年以降増加し、2013年には約30000人(男性約20000人 女性約10000人)にものぼり(図1)、男性では肺がん、胃がんについで第3位、女性では胃癌,肺癌,結腸癌,乳癌についで第5位となっています。肝癌の原因の約7割はC型肝炎ウイルス,約2割がB型肝炎ウィルスと実に肝癌の9割が肝炎ウィルス感染が原因です.肝癌発症の危険度は肝炎ウィルスのもたない健常人に比較するとC型慢性肝炎で117倍 C型肝硬変で401倍であり,B型慢性肝炎で52倍,B型肝硬変で187倍とされています.肝炎ウィルスに感染しても自覚症状のない方が圧倒的に多く、また、肝機能(GOT、GPTなど)の正常な方もいます。そのため肝炎ウイルス検査により肝炎ウイルスにかかっているかどうかを調べることはとても大切です。そして肝臓がんに進行する方を減らすことが検診の目的です。


(図1:国立がん研究センターがん対策情報センターより)

2.肝炎ウイルス検査で陽性になったら?
肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多いことから、「沈黙の臓器」と呼ばれています。肝炎ウイルス検査で陽性となり肝炎ウイルスに感染していることがわかったら、症状がなくても専門医を受診し検査をして病気を早く発見することが大切です。肝炎ウイルスの排除あるいは肝炎の沈静化に有効な方法としてインターフェロンを中心とした治療などが行われています。C型慢性肝炎ではインターフェロン療法によりウイルスが消失あるいは肝機能が正常化した場合、未治療に比べて明らかに肝臓がんの発生率が低くなっています(図2)。インターフェロン中心とした治療によりC型肝炎ウィルス排除に成功する割合(著効率)も年々上昇しており,最新のインターフェロン含む3剤併用療法では約9割(10人中9人の方がC型肝炎ウィルス排除に成功)までとなってきてます.また,C型肝炎の抗ウィルス療法は平成27年からはインターフェロンを使用しない経口薬のみによる抗ウィルス薬(DAA:Direct-Acting Antivirals)が主流となりつつあります。この経口抗ウィルス療法はインターフェロンより身体に対する負担は少なく、インターフェロンがうけれなかった人もひろくうけれるようになりました。有効率も8-9割と高く入院の必要もありません。B型肝炎ウィルスに対してはインターフェロン療法と核酸アナログ製剤(抗ウィルス薬)を 用いた治療があり、この治療によりB型肝炎ウィルスを減少させると肝癌の発症率を減少させる効果があります。B型肝炎およびC型肝炎の治療に係る医療費助成制度があり、インターフェロンやC型肝炎経口抗ウィルス薬や核酸アナログ製剤を使用したときの医療費に対して国からの助成金がでるため、治療をうけやすい体制が整えられてます。


無効:治療して効果のなかった方
再燃:治療中肝機能が正常で、治療後再燃した方
著効:治療によりウイルスが消失あるいは肝機能が正常化した方
(図2:笠原彰紀、林紀夫:肝臓2002;43:272-77より)

3.肝炎ウイルス検査を受けよう!
肝炎ウイルス検査は採血検査で行います。過去に輸血・手術を受けた方や、肝機能異常を言われたことのある方は必ず検診を受けて下さい。また、そのような経験がないからといって感染していないことにはなりません。肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。