糖尿病教室


前回は低血糖のお話でしたが、今回は高血糖について。

糖尿病性昏睡

糖尿病性昏睡は高血糖のために起こります。
ではなぜ高血糖になるのでしょう。

1型糖尿病の方でインスリンの量を急に減らしたり中止した時。
1型糖尿病の方はインスリンがほとんど分泌されないためにインスリン治療を受けます。
インスリンの量は血糖の変化などを見て医師が指示しますが、このインスリンの量を勝手に減らしたり中止すれば当然血糖は高くなります。
2型糖尿病の方で病気が進んでインスリンが出なくなったり効きが悪くなった
ある程度インスリンが分泌されている2型糖尿病の方でも病状が進むとインスリンの分泌量が減ってきたり、体の方のインスリンへの抵抗性が高くなったりすることで血糖が高くなってしまうことがあります。

このようなインスリンの不足状態に加えて、
風邪などの感染症暴飲暴食、ストレスなどが重なると血糖が著しく高くなり(500mg/dl以上!)意識を失います。
これを糖尿病性昏睡といいます。

風邪を引いたりストレスがかかると、体はそれに対抗するためにエネルギーを必要とします。
肝臓で糖を作って血糖を上げることで元気になろうとします。
これは体の自然な反応なので、糖尿病でインスリンが足りない状況でも血糖は上がってしまいます。 ですから、糖尿病の方では糖がどんどん溜まっていく(=高血糖)という事態が起きてしまうのです。

高血糖の症状

血糖が高くなってくると薄めるために水分が血管の外から血管内へと移動します。そして血液の量が一時的に増え、おしっこの量が増えます。そのために脱水となるのですが、特に高血糖では大変喉が渇きます。
また脱水に伴い体の中の水分やナトリウム、カリウムなどの電解質のバランスが崩れるので 体中で調子が悪くなります。 それが全身倦怠感胃腸症状(腹痛、下痢など)として現れます。

激しい喉の渇きや全身のだるさ、おなかの調子が悪いなどの症状があった場合は 高血糖を疑ってみることも必要です。
自己血糖を測っている方は血糖チェックをしてみて下さい。

そして高血糖状態がひどくなるとショックや痙攣を起こし昏睡に至ります。
こうなったらもう病院に行くしかありません。

予防・対応

高血糖は低血糖のときのように、おかしいなと思った段階で自分でできることがあまりありません。 「低血糖じゃないみたいだけど調子がおかしいなぁ」というときはすぐに病院・医師に連絡をして下さい。

早め早めの対処が大切です。

ケトン体

高血糖状態、糖尿病性昏睡の時に行う検査として血中または尿中のケトン体を調べることがあります。皆さんも病院で尿の検査をしたときに「ケトンは出ていませんね」など言われた事がないでしょうか。
このケトン体とは何でしょう。

体の主なエネルギー源はブドウ糖です。
普通の状態ではインスリンによってブドウ糖が消費されていきます。 しかしインスリンが不足してブドウ糖が利用できなくなると体は代わりのエネルギーとしてタンパク質(筋肉)や脂肪を使うようになります。

脂肪がエネルギー源として分解された時に生じるのが「ケトン体」です(廃棄物みたいなものですね)
このケトン体は酸性の強い物質で、体に溜まると血液が酸性になっていきます。
この状態を「ケトアシドーシス」といい、あまり良い状態ではありません。
特に糖尿病で起きるケトアシドーシスを「糖尿病性ケトアシドーシス」と言います。

ペットボトル症候群

糖尿病性ケトアシドーシスの一つとして最近話題になっている「ペットボトル症候群」をご存知でしょうか?
これはペットボトルの飲み過ぎで起きる事が多いためについた名前ですが、 ペットボトルを飲み過ぎるとどう体に悪いのでしょう?

清涼飲料水、特にスポーツ飲料などは体に良さそうなイメージがありますが、思ったよりも糖分が高い飲み物でもあります。(下表参照)
そんなペットボトルを飲みやすいからといって1日に2本も3本も飲むと多量の糖分を取ることになります。 そのために血糖が急上昇し、インスリンはついていけずに不足します。そうなるとますます血糖は高くなり500mg/dl以上という高血糖まで行ってしまい昏睡を起こしてしまうのです。

清涼飲料水の糖分含有量の比較(参考)
商品名 内容量(ml) 糖分量(g)
アクエリアス・ネオ 350 19.6
ポカリスエット 340 21.1
ベジータベータカロチン 120 10.1
JTぶどうの天然水 500 38.5
ニチレイアセロラドリンク 225 21.2
ファイブミニ 100 12.5
SUNTORY デカビタC 210 12.4

*ブドウ糖含有量ではなく、糖分としての表示です。

特に若い男の人に多いといわれていますが、これからの季節は暑くて喉も渇きますからペットボトルを飲む機会も増えると思います。

糖分の高い清涼飲料水は沢山飲まない。
水分はお茶などの糖分のないもので補給するなど気を付けて下さいね。

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2008-11-01公開


もりやま越野病院
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