糖尿病教室


今回は糖尿病の急性合併症の一つ、低血糖昏睡についてのお話。

昏睡って・・・?

普通に眠っているときも意識はない状態ではありますが、 起きている時に急に意識が無くなってしまうことを昏睡といいます。

「なんかおかしいな?」という前兆はありますが、車の運転中や歩いている時などに昏睡になってしまうと 事故をおこしたり、頭から倒れたて大怪我したりと大変危険なことになります。

昏睡には様々な原因がありますが、糖尿病では低血糖による昏睡と、高血糖による昏睡が起こります。 今回は低血糖によって起こる昏睡のお話ですので、まず低血糖とはどういう状態かをお話します。

低血糖

低血糖とは読んで字の如く、血液中のブドウ糖の濃度が低くなった状態を言います。
50mg/dl以下になると

といった低血糖症状が起こってきます。
30mg/dl以下という著しく低い状態にまでいってしまうと昏睡を起こしてしまいます。

ブドウ糖は私たちの体の中で様々な働きをしますが、特に脳では無くてはならないエネルギー源です。筋肉や他の内臓はブドウ糖以外のエネルギー源も使って働きますが、脳はブドウ糖しか使わないためです。
ですから血糖があまりにも低くなってしまうと脳が活動できなくなり、昏睡を起こしてしまいます。

どうして起こるのでしょう?

ではどのようなときに低血糖が起こるのでしょう?

主な原因としては

などがあります。

以前にお話しましたが、インスリンというホルモンは血糖をエネルギーに変えることで下げる作用を持っています。 糖尿病ではインスリンの出が悪いためにインスリンを出す薬や、インスリンそのものを治療として使います。

インスリンの量に見合わない少ない量の食事やインスリンを打っても食事を摂らないということになると、インスリンが効き過ぎて血糖を過剰に下げ、低血糖になってしまいます。
またインスリンの量を間違えて多く打ってしまっても同様です。
アルコールは分解するのにブドウ糖が使用されるので血糖を下げてしまいます。

ですから糖尿病の中でもインスリン治療を行っている人、またインスリンを促す薬を服用している人は特に注意が必要です。

インスリンを出させる薬には、アマリール、スターシス、ダオニール、ラスチノン等などたくさん種類がありますが、 自分の飲んでいる薬がどんな薬かは病院で聞いて確認しましょう。

もし低血糖になったら?

多くの場合、低血糖による昏睡になる前に、冷や汗やめまいなどの低血糖症状が起きます。 低血糖症状は人によって様々なのですが、とにかく自分で「これは!」というサインが起きたら早めに対応する必要があります。

具体的にはどうすればいいんでしょう・・・?

  1. まず、低血糖かな?と思ったらすぐに糖分を取りましょう。
    吸収のよい糖質10g(ブドウ糖、砂糖、ジュース)を摂り安静にします。
    10分たってもよくならないようだったらもう一度飲んでください。
  2. 症状が治まったら食事がまだの人でしたら食事を、 そうでない場合は1〜2単位のご飯やパン、ビスケットなどの炭水化物を食べて下さい。(1〜2単位の炭水化物については食事療法の「主食」のところで触れています)
  3. 外出時などはいつも砂糖やブドウ糖を持っていきましょう。
    いざというときに近くに人がいない、お店がない、自動販売機もないなどということが十分あり得ます。

昏睡を起こしてしまって意識がない場合はすぐに病院へ行かないといけません。 昏睡状態ではジュースも飲めませんからね。
そういう時のためにも、できるだけ周りの人には糖尿病で昏睡を起こすかもしれないことを知っていてもらいましょう。

また外出先で倒れたときには糖尿病手帳が役立ちます。 手帳には自分の使っている薬やインスリンの量を記入しておかないと、白紙では役に立ちません。 手帳の情報があれば医師も判断が楽になります。

自分自身のためにもブドウ糖と手帳の携帯は忘れないようにしましょう。

ちなみに、市販のジュースにはどのくらいのブドウ糖が含まれているかの一覧です

商品名 ブドウ糖含量(g) 1缶の容量(ml)
コカコーラ 12 350
HI−Cオレンジ 13 350
HI−Cアップル 13 350
ファンタオレンジ 18 350
ファンタグレープ 19 350
スプライト 12 350
C1000 タケダ ビタミンレモン 140
C1000 タケダ ビタミンドリンク 350

糖分の多いジュースは普段は避けたほうがいいものですが、低血糖の時の参考にしてください。

低血糖の話をしてきましたが、ブドウ糖や手帳を持っているからといって、低血糖になってよいわけではありません。 低血糖は避けるべき合併症の一つです。
普段から規則正しい食生活をして、血糖コントロールを良く保っていれば低血糖にならずにすみます。
低血糖にならないようにする。
それは血糖コントロールがうまくいっていることでもあるのです。

薬局一口メモ
ベイスン錠、グルコバイ錠について2

これらのお薬は砂糖の吸収を遅らせます。低血糖症状が現れたときは、すぐにブドウ糖を摂って下さい。 (砂糖や飴では薬の作用で吸収が遅くなってしまい不十分です)
携帯用のブドウ糖は病院薬局に聞いてみてください。

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2008-11-01公開


もりやま越野病院
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