糖尿病教室


シックデイ(sick day)って、ご存知ですか?

シックデイとは・・・

発熱、嘔吐、下痢、食欲不振などにより、通常の食事が摂れない場合

を言います。文字通り「病気の日」ですね。風邪を引いたり怪我をしたり、どこかに炎症を起こしたり。
そういった感染症・外傷・歯の病気などの糖尿病以外の病気にかかった時の為に、特別なルールがあります。

シックデイ・ルール 4か条

  1. 温かく、安静にする。
                ・・・基本です。
  2. 早めに主治医と連絡をとる。
                  ・・・迷わずに。
  3. 食事・水分・電解質を摂る。
                   ・・・水分1L が目安。
  4. 病状チェックをこまめにする。
                 ・・・大切です。

これはとても大切なルールです。良く理解して忘れないでくださいね。
ではそれぞれについて詳しく説明していきましょう。

ルール1:温かく、安静にする。

風邪を引いても、「仕事や家のことをしなければいけないから」といってがんばっていたりしていませんか?
それでは治るものも治らず、逆に悪化させてしまうかもしれません。

とにかく、温かくして寝ている、というのが大事です。

そうすることで、体力の消耗を防ぎ、抵抗力も高まります。
下痢などで飲食できない場合でも、水分や食事が摂り易くなり、回復を早めます。

ルール2:早めに主治医と連絡をとる。

症状が軽いときは1日程度様子をみてもかまいません。
しかし、

こんな時は迷わず主治医に連絡し、早めに受診するようにお願いします。(越野病院 電話:252-0416)

「しばらく様子を見ていれば治ると思ったから・・・」と言って悪化させ、救急車で病院へ!ということもあります。そうなる前、自分で病院に行けるうちに受診してください。

ルール3:食事・水分・電解質を摂る。

発熱があったり食事が摂れないといった状態では、体に入ってくる水分より出て行く水分のほうが多くなり、「脱水」状態になりやすくなります。
脱水は症状悪化の第一歩!!

発熱・嘔吐・下痢などの症状がある時は、

をできるだけ摂るように努力してください。

例えば・・・

うどん、おじや+シチュー、鍋物+果物

食欲「0」なら・・・

おかゆと梅干、野菜スープ、味噌汁、ジュースなど

ルール4:病状チェックをこまめにする。

早めに受診してください、と言いましたが、そのときに病院側は「どのような状態か」を質問します。
その時に自分の体調が説明できますか?
何を説明すればいいか、ご存知ですか?

「いつから、何がどうだ」というような情報が聞けると、医師としては大変助かります。

また、このようなことをこまめに検査することで、「血糖が上がってきたぞ」とか「ケトンが尿に出始めたぞ」「熱が急に高くなった」など体調の変化を早めに知ることができます。
シックデイの時にはいつもより多めに検査をするなどして、体調の変化に注意してください。

お薬はどうする? 〜経口薬の場合〜

シックデイで食事が摂れないとき、「食事が摂れない=血糖はあがらない」と思って経口薬やインスリンは要らないや、と考えるかもしれません。しかし、実際にはかなり高い血糖値を示すことも多いのです。ですから薬は「要らない」とはなりません。

ではどうすればいいのか?
経口薬とインスリンでは対応がちょっと違ってきます。

経口薬の場合・・・

アマリール、ダオニール、スターシスなどのSU剤
食事量が半分程度→お薬も半分に
食事が摂れない時は服用しない。
ベイスン、グルコバイなどのα-GI(αグルコシダーゼ阻害)剤
食事量が半分の時や摂取不能(食べられない)場合→服用中止
メルビン、アクトスなどのインスリン抵抗改善薬
食事量が半分の時や摂取不能→服用中止

自分で薬の飲み方を判断する前に病院に受診するのが一番良い方法なのですが、目安として知っておいてください。
できればお薬を貰ったときに、自分の薬はどのタイプか確認しておいてくださいね。

場合によっては、経口薬の代わりにインスリン注射が必要になることもあります。

お薬はどうする? 〜インスリン注射薬の場合〜

では、インスリン注射の場合はどうでしょう。
インスリン注射では・・・

自己判断で中止しない!!

これが基本です。
インスリンは食事が取れなくても必要になってきますので、血糖値をみて注射量をコントロールすることになります。

ペンフィルR(速効型)の場合
血糖値150mg/dl以上2単位ずつ増量
血糖値100mg/dl以下2単位ずつ減量
ヒューマログ、ノボラピッド(超速効型)の場合
食事内容に応じて食後に注射
ペンフィルN・30R(中間型)の場合
食事摂取不能の時は1/2〜2/3に減量

以上はあくまでも目安です。主治医と相談して個々のスケール(変化量)を決めておきましょう。

どちらにしても、薬を止めたりインスリンの量をコントロールするような状態になる前に、受診するようにしてください。

食べなくても血糖値は上がる。

シックデイの時、私たちの体には大きなストレスがかかっています。そのストレスに対抗するために分泌されるホルモンは、血糖値を上昇させ、インスリンの働きを抑制します。
また、脱水などがあると、血液が濃縮し一層血糖値があがります

このような状態でインスリンを止めてしまうと、血糖はますます高くなって、症状を悪化させてしまいます。
ですから、インスリン注射を打っている方は絶対にインスリン注射を止めてはいけません

シックデイでは急速に症状が悪化して昏睡に陥ることもあります。

ケトアシドーシス
高血糖とケトン体の増加により、血液が酸性化した状態。
血糖値は500mg/dlや700mg/dlという値になることもあります。
非ケトン性昏睡
著しい脱水で高血糖となって起こる昏睡。高齢者に多い。

もちろん、血糖が下がる場合もあり、シックデイのときは必ず血糖が高くなるというわけではありませんが、血糖に対しての注意は必要です。

たかが風邪、たかが下痢などと思わずに、早め早めの受診を心がけてください。

*シックデイルールについて、上記の内容をまとめた小冊子を病院に置いています。
ご自由にお持ちくださって構いませんので、参考にしてください。

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2008-11-01公開


もりやま越野病院
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