糖尿病の食事療法


第9回で外食の調節のお話をしました。和洋を問わず、食事療法がわかっていれば外食は上手に調節できます。今回は「外食のポイント2」ですが、その前に食事療法の総まとめもしてみましょう!

1日の総エネルギー量

和食の時にも触れましたが、まず自分の摂取エネルギー量を思い出してください。覚えていますか?
しつこいですが、ここでもう一回おさらいを(このあたりは第1回でやりましたネ)

身長(m)×身長(m)×22(女性は21)=標準体重(kg)
体重1kg当たりの仕事量
     軽労働 25〜30 kcal
     中労働 30〜35 kcal
     重労働 35〜   kcal
標準体重(kg)×仕事量(kcal)=1日の総エネルギー量(kcal)

でしたね?これは食事療法を考える上での基本ですから、自分の数字は覚えておきましょう。

さて、自分の今現在の体重が標準体重を上回っている方。その上回った分は余分な脂肪が蓄積したものと考えられます。実測体重(kg)が標準体重(kg)より何%多いのか(または少ないのか)、ちょっと怖いですが、計算してみましょう。

{実測体重(kg)−標準体重(kg)}÷標準体重(kg)×100

実測体重から標準体重を引き、その値を標準体重で割った後100をかけます。
さて、いくつになりましたか?

−10%未満     = やせ
−10%〜+10% = 普通
+10%以上     = 過体重

ここで+10%以上、過体重に当てはまった方は体の為に、体重を減らすことを考えましょう。
栄養士が相談に乗りますので、ぜひ一度病院へご相談に来てください。

食品分配

さて、次は食品のバランスです。食べ物は5大栄養素と呼ばれる大きい枠に分けられました。それを元に食品交換表では食べ物を表1〜表6に分けています。このあたりは第2回で触れましたネ。

表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
穀類
芋類
豆類 など
果物 魚介類
肉類
卵大豆類 など
牛乳
乳製品
油脂類
多脂性食品など
野菜類
海藻類
きのこ類
蒟蒻 など
 

1日の総エネルギー量が決まると食品分配も決まります。多くの方は1200kcalから2000kcalの間に収まると思いますので、食品の単位で見た1日の食品分配を表にしてみました。
自分のエネルギー量から、だいたい1食をどのようなバランスで食べればいいのか、見てみてください。

1200kcal (15単位)
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
1日 1 1.6 0.4
1.6 0.3 0.4
0.3
0.4
間食          
1440kcal (18単位)
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
1日 1.6 0.4
1.6 0.3 0.4
0.3
0.4
間食          
1600kcal (20単位)
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
1日 11 1.6 0.4
1.6 0.3 0.4
0.3
0.4
間食          
1840kcal (23単位)
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
1日 12 1.6 0.4
1.6 0.3 0.4
0.3
0.4
間食          
2000kcal (25単位)
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料
1日 13 2.6 0.4
2.6 0.3 0.4
0.3
0.4
間食          

表2(果物、1単位)、表4(牛乳など、1.5単位)、表6(野菜類、1単位)、調味料(0.5単位)は総カロリー量に関係なく同じです。表4の牛乳などだけ、2000kcalで1単位増えますが、大体は1.5単位です。

エネルギー量の調整は、基本的には表1(穀類、主食)でします。ついで表3(肉、魚)を増やし、表5(油脂類)を少し増やします。

表2(果物)、表4(牛乳など)は間食として摂ることをおすすめしますが、3食の中に入れても構いません。

ここまでが総まとめです。あとは実践あるのみ。

カロリ−ダウンと食べ方のポイント!!

表2から表6までの食材を、それぞれの単位量内に収めるように調節すれば、和食に比べるとカロリーが高いように言われる洋食だって怖くありません。

では具体例を・・・

1・とんかつ 340kcal (豚ロ−ス 1単位 40g)
衣は油を約40%も吸収してしまいます。
衣を残すのも一つの方法!
また、お肉の脂身を残すだけでも約190kcal減になります!!
2・鶏肉のソテ− 280kcal (鶏肉皮付き 1単位 40g)
3・鶏肉のクリ−ム煮 350kcal (鶏肉皮なし 1単位 60g)
鶏肉はお肉の中でもヘルシ−なんて言われてるけど・・・
鶏皮は高脂質・高エネルギ−!
皮を残すだけでも65kcal減になります。
4・すき焼き 506kcal (牛ロ−ス 1単位 40g)
5・ステ−キ 407kcal
牛ロ−ス140g(3.5単位)は少し多いですね。80g(2単位)〜100g(2.5単位)を目安にして下さい。
野菜はタップリ摂りましょう。すき焼きは野菜を沢山摂れますが鍋物などはついつい食べ過ぎになってしまいがち!
気を付けて!!
6・トマトサラダ 90kcal
7・胡瓜もみ 11kcal 8・茄子の揚げ出し 83kcal
トマトのみでは38kcal。旬の物ならそのままでも美味しいですね!
9・なめこのおろし和え 32kcal
10・茶碗蒸 68kcal
11・南瓜の含め煮 168kcal
12・青菜の卵とじ 141kcal
副菜は、主菜との組み合わせを考え野菜・きのこ・海藻を中心に沢山摂るように心掛けましょう。
13・ご飯 420kcal (1単位 55g)
14・食パン 317kcal (1単位 30g)
15・日本酒 192kcal (1単位 75cc)
16・ビ−ル 253kcal (1単位 200cc)
17・ウイスキ− 80kcal (1単位 30cc)
1日2単位までとされていますが、基本的に禁酒を心掛けましょう。
飲酒については主治医に御相談下さい。
18・チ−ズケ−キ 250kcal
19・チョコレ−ト 80kcal
20・アイスクリ−ム 160kcal
血糖や血液中の中性脂肪が高くなりやすい食品です。
「でも、やっぱり食べたいデザ−ト!! 」
そんな方は…食事の前後に摂ることは止めます。
食べるなら3時のおやつに!!
21・りんご 86kcal (1単位 150g 約小1ヶ又は中2/3ヶ)
22・みかん 92kcal (1単位 200g 中3ヶ)
果物は「朝・金」「昼・銀」「夕・銅」という言葉があるようにお日様が上がっている間に摂ることをおすすめします。
果物はビタミンやミネラルが豊富ですが果糖、すなわち糖分の宝庫です。食べ過ぎに注意し1単位量をしっかり把握しましょう。

糖尿病の食事療法というとどうしても「食べてはいけないんじゃ・・・」と思いがちですね。
でもそんなことはありません。どんなに体にいいと言われるものだって、そればっかり食べていれば逆に調子を悪くします。
ある食材だけを偏って食べることが良くないのであって、「バランスよく食べる!!」ということが重要なんです。

「食べてはいけない」ものはそうありません(お酒くらいでしょうか)
1日30品目、と言われるように、バラエティに富んだ食材を、バランスよく食べる!!
それが食事療法なんです。

慣れるまではわからないことはたくさんあると思います。
病院には栄養士がいます。どんどん利用してくださいね。

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2008-11-01公開


もりやま越野病院
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