岡田直樹参議院議員と語る会


1.日本医師会の会長選について

日本医師会の会長選挙がございまして、武見、西島両参議院議員にとっては本当に政治生命をかけたような選挙であったというふうに思います。我々自由民主党と比較的関係の良好な新会長が誕生されて、今後我々自民党としても医師会の先生方と密接な関連の、協力の下に医政というものを考えていくことができるのではないか、こういうふうに期待をしております。



2.北朝鮮のミサイル問題

これもまた国民の安全安心を大きく脅かすものでありまして、大変残念なことであると思います。テポドンの方はどうやら失敗に終わったようでありますけれども、日本に向けて飛んでくるのは中距離ミサイルのノドンの方なのであります。

ミサイルにはミサイルで対抗するしかないのでありまして、まずドンと打ち上げられたものを護衛艦、イージス艦という言葉を最近お聞きになると思いますが、非常に高性能のレーダーを持って、早期にミサイルを探知してそのイージス艦から艦対空ミサイルを打ち上げて迎撃をすると。そしてその撃ち漏らしたものがまた日本の上空に到達したら、今度はパトリオットという地対空ミサイルで迎撃をするという、二段構えのシステムを考えております。

しかしその配備は先日我々も入って会議をいたしまして1年間前倒し、早期に配備をするということになりましたけれども、それでも一応の完備というか計画を達成するには5年間の歳月がかかります。今政府の方では国民保護法制というものを作りまして、万一の場合に都道府県、市町村それぞれの役割で国民の皆さんを守る、そのガイドラインを今作りつつあるところであります。

その際にはもちろんこの医師会の先生方のご協力というものも得ないとその計画は作れない。しかし万、万が一にもそういった計画が実施をされるようなことがあってはならないと、必ずこれを平和的な手段で阻止しなければいけないという、今大変難しい仕事に私は直面をいたしております。参議院の外交防衛委員という、いわば外務省と防衛庁を直接担当する部門におりますので、今非常に厳しい思いをいたしておりますけれども、それと同時にこの国民の皆さんの日常的な安全、安心、そして健康を担っておられるのは医師会の先生方でありますから、どうか今後ともご指導を賜りたいと思うわけであります。



3.国民皆保険制度

規制緩和論者のある方が今日本の病院へ行ってもベンツに乗って来る人も、ポンコツに乗って来る人も、同じ医療サービスを受けることができるというのは、むしろ悪平等ではないかと、こんなことまで言われて私はちょっと愕然としたのであります。ベンツとポンコツという言葉が耳に本当に残って、今でもこびりついております。それはもちろん多少経済力によって受けることのできるサービスが違ってくることが当然のことだと思います。しかしやはり国民の皆さんが本当に必要とする医療を受けることができる国民皆保険というのは、これは本当に決して崩してはいけない、日本の誇るべき制度ではないか。



4.医療制度改革関連法案

今回の医療制度改革についても、先生方いろいろとご不満の点が多いと思います。西島先生は特に厚生労働委員会の委員でありましたから、今回医療制度改革関連法案を委員会で質疑をして、そして採決をするという厳しい立場に立たされたわけであります。結局は自民党が政府と一体となって進める、そういう改革でありますから、西島先生はいくつもの問題点についてするどい質問をして、そして最後まだまだ納得できないことが多いけれども、手を挙げざるを得ないという非常に苦しい胸のうちを語っておられました。その代わりに21項目という付帯決議をこの法案に付すことを、これは並大抵のことではなかったと思います。数項目そういう付帯決議をつけるというのはよくあることなのですけれども、21箇条とこれほど多くの付帯決議のついた法案というのは、私は国会に入ってから初めてであります。そこにはいろいろな患者さんの負担が野放図に増えないように、そして国民皆保険という制度が維持をされるように、また混合診療が無闇に拡大をしていかないようにと、たくさんの釘を刺した、それが今回の付帯決議であったわけであります。



5.骨太の方針(医療分野)

お手元に紙をお届けしておりますけれども、これは何かといいますと、骨太の方針という文書なのであります。骨太の方針というのが毎年1回だいたいこの6、7月に発表されて、これに基づいて予算の概算請求がされていく。最近では小泉政権になってからでありますけれども、例の経済財政諮問会議というところでこの骨太の方針を打ち出す。それを土台にして予算を決めていく。こういう非常に重要な文書であります。その1枚目の下の方に医療というところがありまして、そこに下線を引っ張った(本文最下部、参考文書@を参照)、地域医療を担う関係者の協力を得つつ生活習慣病対策、長期入院の是正と実行性のある医療費適正化方策を国、都道府県及び保険者が共同して計画的に推進する。最初この下線のところは入っていなかったわけであります。

そしてこの下線が何を意味するかというと、地域医療を担う関係者の協力というのはまさに医師会の先生方のことを指しているわけでありまして、先生方のご意見というものも十分に汲み取りながらこの医療改革を進めて行く、この一文を入れるために武見先生や西島先生がどんなにそんなに大きな声を上げて、私もお二人に続いて、まだ知識は豊富ではありませんが、声は大きくこの一文をぜひ入れていただきたいと。これが入ることによってこれからの予算措置、あるいは法案が通って法律になって細部については政令や省令に委ねられますから、その部分の規制というものをしっかりして欲しい。

次のページにも下線を引っ張ったところ(本文最下部、参考文書Aを参照)は患者特性に応じた包括化、定額払いの拡大等新たな診療報酬体系云々と書いてありますけれども、この患者特性に応じたというのはどういう意味ですかと武見、西島両先生に伺いましたら、これは後期高齢者のことを指すのだということを厚生労働省と合意の上で一文差し込んだと。全ての領域で大鉈を振るうのではなくて、少しでもその範囲というものを特定していきたいという思いがこもったわずか、10字あまりの一文でありますけれども、これをまた自民党で侃々諤々の議論の結果盛り込んだと。こうした今日は持ってきませんでしたけれども、法律にも21項目のいわゆる付帯決議というものがつけられております。しかしそれにしてもあの法案というのは通ってしまった。あるいは阻止することは出来なかった。この辺りは本当に内心忸怩という思い、これは両先生も私も同じことであります。



6.介護療養型病院について

介護療養型病院といいますか、医療施設の削減、あるいは廃止といったことも唐突な形で今回出てきたわけでありまして、これはもう専門の武見先生、西島先生もびっくりしたと。これに対して何とか6年かけて徐々に段階的に削減をしていくというような表現にし、また介護難民とか医療難民といわれる方々が出ないように万全の対策を取ると、そういう条件をつけたわけであります。



7.診療報酬の引き下げ

診療報酬の引き下げと、これは医療の質というものを保つ上で非常に厳しいことではないかと、また個々に先生方からお叱りといいますか、本当に医療に専念する熱意が薄れてきたという、そういうふうな厳しいお声さえいただいているわけであります。これも私は専門的にはよく分かりませんけれども、薬価が材料費というものを除いた本体の部分が今回−1.36なのでしょうか、これはもともと厚労省も財務省も1.0ということを念頭に置いて協議をしていたという話なのでありますが、いつの間にか1.36というところに行ってしまった。総理がやはり1.4に近い数字というものを求めたということであります。



講演終了後、質疑応答に入り、以下の先生方から質問がありました。



越野慶隆先生

時代の流れが押して、看護婦の教育の高度化という点を捉えまして、どこの専門学校もどんどん大学化を目指します。そして県立看護学校のいいところは、定時制と准看コースというショートピリオドで資格を取れるというコースがあるということです。しかし公的機関がそのようなところに対する応援が比較的熱がどんどん冷めております。我々が地域を支えるべき、あるいは周辺の過疎地域を支えるべき、それに応じたナースの輩出としても、また再チャレンジという点を考えても、このような定時制とか准看コースはぜひ守るべきだと思っております。

看護婦さんが高学歴化します。そして優秀な人材がたくさんになる。そして大きな病院に勤めると子供を産まなくなるのです。これは日本の国家としてはものすごい損失で、あるいは適切なところで、一旦子育てで帰ってきたものが再度ライセンスを生かせるような教育機関とか、そういうようなものに質を変えていくべき時代になったのではないかと思います。

岡田代議士

実は看護協会の方からそういうご要望がありまして、私は石川県の方にも少し働きかけて私一人だけではなくて、何人もの議員が例えば馳  浩さんですとか、そういうどちらかというと若手の方が皆で県庁に行きまして、そうしましたらもうこれから民間でやるということを検討していると。これをバックアップしていきたいとこんなお話しがございました。それで本当にその看護師の方々がびっくりするほど喜んでくださって、これはいいことをしたのかなと、手柄話ではありませんけれども、そういう実感を持ちましたし、そういういろいろなコースでその看護師さんに合った教育を、あるいは先生方が必要とされるニーズに応じたバラエティに飛んだ教育というものが行われるように、これは国の問題でもあり、また都道府県や市町村の問題でもあると思います。しっかりと取り組んでいきたいと思います。

再チャレンジというお話しが出ました。例の北朝鮮に拉致をされた曽我ひとみさんももとは看護婦さんであったわけでありますけれども、長年拉致をされていた。そして今佐渡の方に戻って、さすがに看護の現場に戻るということはちょっと難しいけれども、町の健康相談の仕事をしておられると、そういう話も聞いたことがあります。再チャレンジというのがこの骨太の方針にも下の方に書いてありますけれども、やはりどんな分野でも運が悪くて、自分は一生懸命努力したにもかかわらず成功できない、失敗をしたと。例えば会社を潰してしまったと、そういう方でも熱意があり努力をして、そして技術があればもう一度挑戦できる、チャレンジできるそういう社会を作ろうではないかと、この考え方を今政府の方でも進めております。看護師さんの問題については、本当に先生方からもっともっと教えをいただいて、各方面に働きかけていきたいと思いますので、どうか宜しくお願いを申し上げます。ありがとうございました。



参考文書@

医療制度改革の着実な実施に努め、小児科・産科等の診療科や地域における医師の確保・偏在への対応、夜間・救急医療体制の整備、看護職員の確保やその養成の在り方の検討等医療提供体制の整備を進める。また、地域医療を担う関係者の協力を得つつ、生活習慣病対策、長期入院の是正等、実効性のある医療費適正化方策を国、都道府県及び保険者が共同して計画的に推進する。



参考文書A

医療サービスの標準化、レセプト完全オンライン化等総合的なIT化の推進、患者特性に応じた包括化・定額払いの拡大等新たな診療報酬体系の開発、保険者機能の強化、終末期医療の在り方の検討など、医療サービスの質の向上と効率化を推進する。


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