委員長からの挨拶


金沢市医師連盟執行委員長 安田 健二


 金沢市医師連盟は金沢市医師会会員を中心に組織され、保健・医療・福祉の発展向上に資する施策を実現させるべく政治活動を展開することを目的とした政治団体です。

 2012年12月の衆議院選挙で安部晋三総裁率いる自民党が民主党に代わって政権に復帰しました。
 安部政権の医療・社会保障政策は平成24年2月「社会保障・税の一体改革大綱」が閣議決定され、続く平成25年8月の「社会保障制度改革国民会議」から始まりました。この報告書は「社会保障強化」の視点で書かれましたが、直後に出された「社会保障制度改革プログラム法案」では医療費抑制の意図が見え隠れし、社会保険方式を基本とする考え方を否定して「自助・自立を基本とし」とわざわざ明記しております。
 一方、経済運営では「異次元の金融緩和、積極的な財政出動と成長戦略」からなる「アベノミクス」により、デフレ脱却を目指しております。また、経済財政諮問会議、産業競争力会議、規制改革会議の三つの会議から日本経済復活を目指した施策が提言されております。ここの医療分野では「医療の規制緩和」「医療の営利産業化」を目論んでいます。健康に携わる仕事はどうしても自律的・他律的に制限が加えられます。医療は患者さんの便宜よりも健康を守らなくてはなりません。医療は根本的にはサービス業にはなりえません。医療を産業化しても、経済効果は微々たるものです。
 昨今TPP交渉の医療への影響が騒がれています。アメリカ側は民間保険会社の参入より医薬品・医療機器の価格緩和やライセンス期間の延長を求めてくるでしょう。これを認めれば結局は国民医療費の高騰につながります。

 いつの時代でも医療を巡る政策決定過程では、経済的な側面から医療に介入する側(医療費抑制と規制緩和)と社会保障強化という視点から医療を考える側で葛藤が生じます。我々は政治に携わる方々には国民全員に安全で良質な医療や円滑な医療・介護連携を提供できる環境を整えていただくよう伝えていく責務があります。

 みなさまがたには今後とも当連盟に対するご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。